思考がしずまり、感情がただそこにあり、その空間に溶け込む時、気づきがおこります。
今まで自分だと思っていた思考も、
自分だと思っていた感情も、
ただ、思考としてあり、感情としてあっただけだった。
自分という感覚も、そこに大きく横たわる感覚だったんです。
そして、この気づきが、まさに「それ」なのか?と思ったりしがちですが、これは「それ」ではなく気づきです。
そのうち、その気づきもスッと消えていきます。
この気づきさえもスッと消えた時。
それがそれです。
完全に言葉で説明不可能な生き生きとした無なんです。
無の中で衝動が起きています。
無の中で、あらゆることが起きています。
何が起きていようが無ですし、
どんな音が起こっていても、静寂なんです。
そこに、私はいません。
今までもいませんでした。
心臓を自分で動かしたことなんて、今まで一回もないですし、
髪の毛を自分自身でヌオーって伸ばしたこともないのに、
なぜか、起こる思考だけは、自分でコントロールしていると思い込んでいたんです。
感情は自分だと思い込んでいたんです。
その思い込みが、ただただ起こっては消え、流れていくエネルギーに抵抗して、何かを掴み取ろうとしていただけなんです。
そしてそれが、苦を生み出していたんです。